考察: 成田空港はなぜ旅情を昂らせるのか
ジェイです。
日本で一番旅情を掻き立てる空港なんじゃないだろうか。
成田。この地名を耳にして何を思い浮かべますか?と日本の皆さんに質問すると、「成田空港」と「成田山」でだいたい半分に割れるんじゃないのかなって想像しているんですが如何でしょう。僕はやっぱり「成田空港」を思い浮かべ、その流れで「海外」への想いを馳せながら遠くを見つめてしまいます。
僕の飛行機デビューはかなり遅めで21歳。大学の卒業旅行と称してのアメリカ旅行が人生で初めての飛行機&海外でした。当時は静岡市内在住。家庭教師とラブホテルのフロント業務で一生懸命貯めたお金を無駄にしないために、在来線を乗り継いで成田空港に向かいました(この頃は時間にも価値があるとはおもっっていなかったんですな、時間は金で買えんのじゃ!って叫んでた教授の言葉なんてまったく響いてなかった)。
やっとの思いで成田空港に着き、地球の歩き方に書いてある方法に従ってドキドキしながらチェックイン。すると「お客様のフライトは4時間遅れます。バウチャーをお出ししますのでお食事をしてお待ちください」と当時の僕にとってはまったく謎の対応。何が謎なのかというと、
- 乗り物なのに定刻から4時間という大幅な遅延
- 出発が遅れるってことは到着も遅れる、現地でどうすればいいんだ(結局ニューヨーク到着は深夜でした)
- 人生で一度も聞いたことがない単語「バウチャー」
ってあたりですね。
インターネットもそれほど普及していない、もちろんスマホどころか携帯電話なんてない時代(あったけどまだ持ってなかった)だったのでただだだ焦りました。そういえばあの頃は飛行機に乗る前にリコンファームという手続きが必要でしたよね。あれ、海外の飛行機会社だと英語でやらなきゃいけなくてものすごく大変だったな。
最終的に状況も理解し、バウチャーの意味もわかって受け取って、なんだ気前よくお金くれるもんなんだなあなんて目先のお得にホイホイ浮かれていたんですが、ふと、
「もしかしたら、もう日本に帰ってこられないかもしれないんだ…」
っていう、訳のわからない感情が、フツフツと沸き起こってもう抑えきれなくなって、もらったバウチャー+現金で豪勢に「うな重」を食べました。このことは今でも良く覚えています。
成田空港に向かっていると今でもあの頃のドキドキがふと蘇ってくるんですよね。神奈川県民からすると、圧倒的に羽田空港が便利なんですが、成田空港に感じるあの特別な「旅情」は羽田では感じられないんだよな。不便なんだけど、僕は成田空港が好きですよって、成田エクスプレスの車内より。
本日の成田空港。